妻の脱皮と息子の門出

10月に息子が入籍結婚しました。

息子の奥さん(最近は嫁という呼び方は支配的と感じる方が増えているようです)にせがまれて、10年ぶりの釣りに出かけてきました。

緊急事態宣言も解除され、やっとの実行です。

 

息子は車の運転が苦手なのですが、奥さんは大好きで得意だそうです。

それを聞いた時は、『世の中、成るようになるもんやなあ』と思ったものです。

妻も『やったー! 肩の荷が降りた』と思ったそうです。

「一生、結婚せーへん」と息子に言われていたので、100歳まで生き延びるしかないと覚悟していたのだとか。

息子の奥さんが可愛らしい人なので私も妻も会うのが楽しみなのですが、コロナ禍で会うことも叶いませんでした。

  

今回、息子夫婦が電車で最寄りの駅まで来て、主人の車に同乗すると言います。

不思議に思って聞いてみると、奥さんが朝が弱いので運転すると危ないからというわけでした。

 

当日は二人とも時間通りにやってきたのですが、話をするうちに、息子の奥さんが前日に早起きの練習をしていたことがわかりました。その初々しさが微笑ましくて、それだけで運転も軽快になります。

 

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この日は天気も良く、空の秋らしさとは対称的に夏のような暖かさでした。

息子の奥さんは子どもの時以来の釣りだったそうですが、最初から最後まで休むことなく魚を釣ることに専念しておりました。

普段、家で絵を描く仕事をしているので、集中力もすごいようです。

魚を一番多く釣ったのも彼女でした。

うちの妻と言えば、写真を撮る方が楽しいようで、今回もその写真をブログに使わせてもらいました。

 

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昼過ぎまで釣りを楽しんでいましたが、お腹が空いて我慢できなくなったので、ほぼ強制的に終了させてもらいました。

釣りの後はみんなでお昼御飯です。最初は黒潮市場を目指したのですが、混雑の度合いがひどかったので二階のレストランで食事をすることになりました。

 

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さて、今回の釣りの成果は小ぶりのグレとベラでした。息子の奥さんに聞いてみたところ「食べます」と答えが返ってきたので、持ち帰ってもらうことになりました。

息子が横から、「余ったらゴミ箱に捨てたらいい」と助言し、妻も「そうそう、捨てたらいいねん」と同調するのを、『釣れたての魚は何でも美味しいのにもったいない……』と心の中で泣きながら聞いておりました。

 

あとからそのことについて妻と息子と話していたら、実は、息子も妻も息子の奥さんの気持ちに負担を掛けないようにと配慮してのひと言だったことがわかりました。

二人とも口が悪すぎるのが困りものです……。

 

ところで、ずっと子ども返り中だった(らしい)妻でしたが、最近、脱皮宣言をしました。

『脱皮ってなんや?』って感じですが、子ども時代の気持ちのやり直しが終わって青年時代に入ったそうです。

過去の気持ちの整理はまだまだ続きそうですが、ファッションの方もグレードアップするんだそうです。

 

今度は「服買って♡」とくるんちゃうやろうなあ、と、そら恐ろしくもあるのですが……

本人は青春真っただ中のような楽しさらしいです。

いやはや、羨ましい限りです。

平穏な風景のある非日常

長く続くコロナ禍で不要不急の外出を避けて過ごすうちに、あるものに渇望している自分に気づきました。それは「自然」です。

 

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私が住んでいるところは、駅までの距離が近く、電車に乗れば都会も郊外も気軽に行ける便利な地域です。家の周りには田んぼも畑も山も野原も無いけれど、ちょっと移動すれば自然を満喫することができます。

 

ところがコロナ対策で外出が制限されたことで、気軽に利用できたはずの自然が混雑する場所に変わってしまいました。家の近くには自然と呼べるほどの自然はなく、そうなってみて初めて、私の日常に在る自然風景は意外と限られているということに気づかされました。

 

そして先日、緊急事態宣言が解除されたこともあって、長居公園桂離宮と立て続けに訪れました。久しぶりに味わう自然です。

長い制限の跡の解除ということもあって人出が分散されたらしく、そこには平穏な日常が感じられました。

 

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前回の台風で予想以上の被害を受けた長居公園は、11月から改修工事で休園しています。10月はバラも満開との情報があったので、改修前に見納めに行ってきました。

秋特有の曇天の空には白いバラが映えていました。

台風で傷んでしまった古代の林も息吹を吹き返したように輝いていました。

 

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残念ながらバラの満開の時期は過ぎていたのですが、ダリアは鮮やかに咲き誇っていました。

妻はダリアに大はしゃぎしておりました。

あっちこっち向きが違って形も色も様々なので、笑ったり踊ったりしているように見えるて楽しいらしいのです。

 

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コスモス園が一番の人気らしく人出も多かったのですが、ひっそりと咲いている珍しい花びらのコスモスを見つけました。

 

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その週末、京都での仕事の帰りに桂離宮まで足を延ばすことになりました。

ネットでは予約が先までいっぱいとの情報だったので私は諦めていたのですが、同行した妻が「ダメ元で行こう」と言って聞きません。

いざ行ってみると、当日受付でガイドツアーに参加することができました。

始まるまでの待ち時間は30分以上あったのですが少人数で快適でした。

   

見せることを計算しつくした庭は、入り口付近には遠近法が用いられており、砂利道は土の道に石をパズルのようにはめ込んでいるだけなのに崩れることもありません。

峠の茶屋のような吹きざらしの茶室は、台風の時などは傷まないかひやひやものなのだそうです。

 

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部屋になった茶室は3つあって、かつてここを利用していた人たちが中から眺めたであろう景色は生きた絵画のようです。建築を勉強されている方にとっては、とても素晴らしい資料でもあるそうです。

 

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同じガイドツアー参加者の方に、樹木を写真にとって検索して教えてもらったのですが、糸杉と馬酔木という珍しい木やくろもじの垣根がありました。

晴天と風の強い日だったので、池の波が本当の海のようでした。

また、月見台があって、池にも月が映るようですが、閉園時間の関係でその姿を見ることは叶わなさそうです。

 

妻曰く、

「真冬の閉園前に滑り込んだらギリギリセーフでみれるかも」

とのことですが……。

「ほんまに行くんかい」ってなことにならないように祈るばかりです。

 

帰りに筍亭で遅い昼食をいただきました.

京都市内とは思えない竹林と自然のきれいなところです。

 

渋滞の多い京都へ車で行くというのは結婚以来避けていたのですが、コロナ禍で仕事も車の移動になりました。電車でしか外出できない妻もドライブがてら同行するようになりました。そんな「ついでに」が重なって、近頃は京都を少しずつ満喫しています。

 

大阪にはない京都の魅力は非日常的な自然でしょうか。

還暦を過ぎて初めて、京都に魅力を感じております。

マニュアル通りにはいかない、妻もコロナも。

またです。

 

妻の、

 

「今がお得! 今、穴場!」

「朝夕ビュッフェ付きよ」

 

という言葉に上手くのせられて、またまたウェスティンホテル大阪に一泊することになりました。

 

自宅から車で一時間足らずという近場にあるので、知っている方からは『なんでわざわざ宿泊?』と突っ込まれそうですが……

 

ホテルに宿泊することは、ぐっすり眠りたい私と家事から解放されたい妻の希望を同時に叶える最短の方法でもあるのです。

    

妻いわく、夕食ビュッフェにデザートの追加ワゴンサービスがあるのだそうです。

(結局、それかい!)

 

夕食ビュッフェはどのメニューも素晴らしかったのですが、妻がまたまたやらかしました。

 

デザートタイムを待ちきれずにワゴンサービスの説明を受けていた妻が、ひとつだけデザート皿をもらって戻ってきました。その様子を見かけた別のスタッフが、「デザート、ご用意させていただきますね」と。

 

どうやら本来は席まで持ってきてくれるスタイルのワゴンデザートをフライングで持ってきてしまったようです。妻のせっかちには困ったものです。

 

気を取り直してデザートタイムです。

まずは、もともとセットに付いている4種類のデザートが運ばれてきました。

そのうちのひとつ、シャーベットは特大のグラスに盛られており、さらにスープまで付いていました。

これだけでも満腹になりそうなのですが、妻は……

 

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ワゴンデザートの方も迷いに迷って絞り切れず、皿から落ちないギリギリのところまで載せてもらっておりました。自粛要請が続いて気軽に出かけられず、食べる楽しみに走ってしまう気持ちもわかりますが、それにしても食べすぎちゃうか?

 

さて、翌日のお楽しみは朝食ビュッフェです。

天井が吹き抜けになっているレストランで朝陽を浴びながらご飯を食べられることも、このホテルを気に入っている理由のひとつです。

 

食後はそのまま中庭に出て中自然の森の中を散策しました。

少しだけ妻が撮影した写真でご紹介させていただきます。

 

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毎回、天然すぎる妻にアタフタさせられておりますが、天然・自然というのはそういうものなのかもしれませんね。

 

マニュアル世代の人間にとっては、『本当にこれでいいのか』と考えさせられることも多い昨今です。コロナの症状にしても、ワクチン接種にしても、誰もがマニュアル通りにいくとは限らず、残念なことが起こるパターンも多々あるようです。

ますます個々が主体的に考えることが必要とされる時代になってきたなと感じております。

画家の描く光と影――ポーラ美術館コレクション展

妻と私の共通の趣味のひとつに美術鑑賞があります。

私は単純に絵が好きなのですが、毎度お馴染み理屈こねの妻は『絵が描けないから写真を撮る。写真の構図の参考になるから絵を見る。ファッションセンスがないから絵で学ぶ』というスタンスで絵と接しているようです。

 

それはさておき、先日妻と一緒にハルカス美術館に『ポーラ美術館コレクション展』を観に行ってきました。

ポーラ美術館は箱根のリゾート地にあるのですが、私にとって気軽に行ける場所ではないので、そうそう行ける機会はないだろうと思っていました。

まさかそこの所蔵品をこんな近くで見られるなんて……夢のようです。

 

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(『パリ』 作ラウル・デュフィ

 

自分にとって好都合な情報には目ざとい妻のおかげなので、しばらく足をむけては寝られません。

(といいつつ、妻の方がしょっちゅう私と逆さまになって寝るので、お互いに足を向けまくっているのですが……)

 

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(『恋人たちとマーガレットの花』 作マルク・シャガール

 

仲が良いのか悪いのかわからない二人ですが、妻も私も好きな絵が似ています。

この記事に掲載している絵はすべて、二人で選んだ絵葉書を妻が写真に収めたものです。

 

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(『地中海の庭』 作ピエール・ボナール

 

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(『オペラ座の人々』 作マルク・シャガール

 

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(『花売り』 作パブロ・ピカソ

 

クロード・モネの作品の中にも欲しいものがあったのですが、早々に売り切れてしまったようで手に入りませんでした。

クロード・モネは大好きな画家さんの一人で、これまでに見た絵の数は多くないのですが、いくつかお気に入りの絵がある中で、今回は『花咲く堤、アルジャントゥイユ』という作品に惹かれました。

アネモネの赤い花を中心に様々な花が描かれた畔の向こうに、煙突から煙を吐き出す工場が見える一枚です。

 

工場の煙というのが、今までに見た絵のイメージからかけ離れており、世界の変革という現実を目の当たりにしたような衝撃を受けました。

コロナ禍で世界が変わっていく今だからこそ、そう感じたのかもしれません。

 

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余談ですが、前回の旅行で妻が絵にしたいと感じた芸術的瞬間が、上の写真の川の流れだそうです。

奈良県のヘソの旅・その2 ~無名だから満喫できるものもある~

前回の続きのお話になります。

黒滝村に泊まった翌朝はススキで有名な曽爾高原を目指しました。

 

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今のススキのない時期に行けば新緑の高原が拝めるかもしれないというのが私の目論見です。

以前、ススキの季節に来たことがあるという妻のすすめで、まずは美味しい米粉のパンが食べられるお店に向かいました。

 

ここまでは良かったのですが……

いざ、高原をめざそうとしたところで、妻が「ここから歩けるはず」と言い出しました。あの手この手で諦めさせようとしたのですが、頑として引きません。

前に来た時も歩けたからと強気です。

 

 

仕方なく従うことにしたのですが……

自然道は結構な険しさです。

しかも、すぐに小雨がぱらつき始め、ついには雷まで鳴り出しました。

妻もとうとうあきらめたので、車で高原の駐車場まで移動しました。

そこからは本当にすぐです。

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夏の高原は広々としていて気持ちがいいですね。

誰もいない新緑の世界で思いっきり空気を吸い込みました。

とは言っても、パンで膨れたお腹の隙間にですが。

 

曽爾村は、最近、近隣都市からの農地付期限付きの半移住に人気が集まっているようで、抽選の倍率がすごいそうです。

大阪から日帰りできる距離なのに、大自然の中で暮らせることには私も憧れます。

 

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次はススキの季節に来よう……と言いたいところですが、混雑している場所がが苦手なので難しそうです。

 

私にとっては新緑に覆われた人気のない高原が最高でした。

奈良県のヘソへ・その1 ~私なりのマイクロツーリズムで星野リゾートにも負けず劣らず~

夏休みを待たずして、奈良県のど真ん中、黒滝村へ行ってきました。

私としては、もう少し足を延ばして『わたらせ渓谷』という名所のある天川村を訪ねてみたかったのですが……

 

夏休みのお得情報の新聞広告を目ざとく見つけた妻が、「夏休み前に行ったら空いてるから」とまたまたブルーオーシャン主張(本来の意味は戦わずして勝ち取ること)を始めたのです。

 

広告の宿の目玉は『先着で家族風呂が利用できること』でした。 

そして、もう一つは天然鮎料理です。

「えー、ぼく鮎好きちゃうねんけどなあ」と抵抗してみたのですが、妻は「自分だけ何回も食べててズルい。私は味も知らんのに」とまったく譲る気がなさそうです。

 

写真で見る黒滝村大自然は美しいし、帰りに曽爾高原にも寄れそうだし、大阪から2時間ほどで行ける距離なのも魅力的だということで、結局、今回も泣く泣く妻の条件を呑むことになりました。

 

そして訪れた黒滝村

黒滝川を渡ったところにある『かくれ里の宿・森の交流館』を目指しました。

 

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ここの川は水がきれいで、夜はホタルも観賞できました。

頭上高くで光る蛍は、想像していた以上に幻想的で、見上げた空には満点の星が広がっていました。

 

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敷地内からは、黒滝つり橋までミニハイキングができます。

ミニハイキングと言っても、時間がかからないというだけで体力はかなり消耗します。

 

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車で15分くらいのところには赤岩と呼ばれる名所もありました。

小さなスポットですが大自然の中にすっぽり入る感じの空間です。

 

ところで、天然鮎はただただ美味しかったです。

鮎の刺身に煮つけに天ぷらにと鮎尽くしを味わいました。

養殖の塩焼きしか知らなかった私は味の違いと料理のバリエーションにびっくりしました。

 

そういえば、電話口で「鮎何匹コースにされますか?」と聞かれて、『何匹って、同じものをそんなに何匹も食べられるもんなんか?』と不思議に思ってたんですよ。

 

毎回いろいろ言い放つ妻ですが、結果良ければすべて良し、ということで、今回も大目にみてやりました。

念願の仁淀川ブルーを拝む

前回の旅の続きの話です。

 

高知県で有名な川と言えば、四万十川が最もよく知られております。

実は私も、前職が四国方面への出張が多かった関係で、何度も四万十川を訪れました。

 

その時期に、地元の方から、四万十川よりももっと透明度が高い川があるという噂を耳にしたことがあります。

 

それが今回訪れることになる仁淀川です。

天候や時間帯によって色合いが変わる水面は、そのうつくしさから仁淀川ブルーと呼ばれています。

 

ずっと行ってみたいと思っていたのですが、ついに今回、その仁淀川をこの目で拝むことが叶いました。

 

その日、闇龗神社を見終わった時点でまだ12時くらいだったのですが、すでに満足していたため、宿泊先である「中津渓谷 ゆの森」に行ってみることにしました。

 

ここで昼食(おすすめランチを頼みました)を済ませ、近くで仁淀ブルーを観賞できる場所をいくつか教えてもらいました。

有名なのはにこ淵、安居渓谷、中津渓谷で、そのうち絶対に外せないのは安居渓谷とのことでしたので、まずはそこを目指しました。

 

その後、他のスポットも回りました。

どこも綺麗でしたが、これぞ「仁淀ブルー」だと感動したのは水晶淵です。

 

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写真ではない実物の仁淀川ブルーは想像を絶するうつくしさで、ただただ驚くことしかできませんでした。私の語彙力ではあの時の衝撃を表現しきれないことが残念です。

できればいつまでもこのままの美しさで残ってほしいものです。

 

ところで、この記事に載せている写真を撮るに当たって、ちょっとしたハプニングがありました。

 

前回のブログでご紹介した闇龗神社で、彫刻を写真に収めようと望遠と通常のレンズを何度か交換したのですが、どうやらその際にカメラ本体がレンズを認識しなくなったらしく、撮影しようとしたらエラーが出るようになってしまったのです。

 

神社から仁淀川へ移動する道中、サポートセンターに電話をして対処法を聞こうとしたのですが、混み合っているのか繋がりません。

何度も掛け直していると、我が家の総理大臣(妻です)が、「もういい加減にあきらめて次に行こう」とのたまいました。総理大臣にそう言われたら、私にイエス以外の答えは許されません。仕方なく「そうしょうか」と頷きました。

 

口ではそう言ったものの、肝心の仁淀ブルーを写真に収められないなんて、豆を入れないコーヒーみたいではありませんか。(それはただの白湯)

 

どうしてもあきらめきれず、妻に隠れてバレやしないかと震えながら繰り返し電話をかけていると、何回目かで運よく繋がりました。

状況を説明して、言われた通りに何度かレンズを脱着しているうちにやっと直りました。

 

こうして無事に写真を撮影することができたというわけです。

 

翌日は早朝からまた宿の目の前に流れている中津渓谷を散策しました。

前日の散策では、途中にある幅1m位長さ10m位のコンクリートの橋を妻が怖がって渡れなかったこともあり途中で引き返しましたが、今回はお互いに必死の形相で最終地点まで渡り終えました。

 

そこから出発点に戻ろうということになった時に、妻が「上に見える国道を通って帰る」と言い出しました。

口が裂けても「橋が怖いから」とは言いません。

私は「違う道もいいかもなあ」と心にも無いことを言いながら、無味乾燥な国道で歩く羽目になったのでした。

 

宿を発ってからは、いの町にある「にこ淵」を目指しました。

 

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もともとは聖域で限られた人しか出入できなかったようですが、何年か前に一般に公開されるようになり、いまでは観光地としても知られるようになりました。

水神の化身の大蛇が住むところとされ、地元の人たちはあまり近づかないようです。

 

ここも確かに絵になる場所ですが、前日の水晶淵があまりにも壮大で幻想的だったため、それに比べるとにこ淵の方は湖だけがぽつんとある感じで少し物足りなく感じました。

標識もあいまいなので、どちらか一方をお薦めするなら「安居渓谷」ということになります。

 

 

今回の宿泊先である「ゆの森」は温泉の方も人気だったので、ぜひ入ってみたかったのですが、コロナのことも気になり今回はあきらめました。

コテージを貸し切りで泊ったのですが、コテージも接客も食事もすばらしいものでした。