森羅万象の中には、道を開く鍵もあるようだ
会社員をしていた頃に慰安旅行で「合歓の郷(ねむのさと)」というリゾート地に行ったことがあります。今は『NEMU RESORT』に名前が変更になっている場所です。
マリンスポーツなどのアクティビティが充実しており、25年以上経った今も楽しかった記憶として残っています。
いつか家族を連れて行きたいと思っていたのですが、GO TOトラベルキャンペーンのおかげでついにその機会を得ることができました。
妻にとってずっと憧れのリゾート地だったらしく、宿泊した二日間で3万歩以上も歩かされる羽目になりました。
今回の旅では、まず、伊勢神宮に立ち寄ってお詣りをしました。雲一つ無い青空の下では、五十鈴川の水の輝きも緑と紅葉のコントラストも格別でした。
平日にもかかわらずかなりの人出でしたが、『横からもご参拝ください』という案内があったおかげでスムーズにお参りすることができました。
3時には『NEMU RESORT』に着いて、里山水生園を訪れました。日の入り時刻が迫っていたので、「夕日に染まる浜」を目指しつつあたりを散策しました。
「夕日に染まる浜」という名前をつけるだけあって、そこは夕陽を眺めるのに絶好のポイントでした。燃えるような夕陽が織り成す数々のシーンの前では、シャッターチャンスも嵐のごとく訪れます。
浜全体が映画のセットのように見えて、日常で目にしている太陽とは別物ではないかと錯覚してしまうほどでした。カメラの腕がついていかないことがもどかしかったです。
この日は満月でもありました。夕陽が沈んだ後に主役の座を取り戻した月は、絵本に描かれているかのようにくっきりしていました。
満天の星空も期待していたのですが、残念ながらそちらは月明かりの強さに負けてしまっていました。
翌朝は「日の出が見たい」という妻につられて私も早起きし、買ったばかりのカメラを持って同行することにしました。
「日没は一瞬やけど、日の出は忍耐やから」と妻がしつこく言ってくるので、聞き流しながら「東の見晴らし台」を目指して歩きました。
見晴らし台に着く頃には空が色づき始めていましたが、太陽の姿はなかなか見えてきません。少しずつ変わる景色をカメラに収めながら、寒さをこらえて忍耐強く待ちました。
やっと光が見え始めたと思っても、そこからがまた長い根競べになるのですが、輝き始めた朝陽に見惚れるうちに、寒さもすっかり忘れてしまいました。
大阪へ帰る途中で今度は二見興玉神社にお参りをしました。
妻が引いたおみくじには、
「万物の中に神様は居せられる。天から降り注ぐ陽射しに、雨に、雪に。道端の草にも、岩にも、川にも……」
と、今回の旅行で感じたことがそのまま書かれていました。
自然を崇めることは、太古の昔から続いていることですが、日々の生活に追われていると忘れてしまいますね。厳しいご時世ですが、少し気持ちを緩めて自然を感じることで道が開けるということあるかもしれないと、今回の旅行で感じました。